白樺の伐倒にチャレンジしました。
問題の白樺は、高い位置にある幹と枝の一部が枯れ込んできて、強風や積雪で折れたら屋根の上に落ちる恐れがでてきたので、予防的に伐倒することにしました。
白樺は図1 のような位置にあります。
また東電の引き込み線とNTTの光ケーブルがこの図の上方向(北)に架線されています。したがって木を倒す方向は、図の緑の矢印方向プラスマイナス10度以内というきびしさ。
準備作業
- まずは 樹高 を測定しました。アンドロイドアプリの「樹高計測」で測ったところ 7.2メートル ほどでした。なお 直径 は15cmから20cmほど。
- さらし竹 (3メートル)を2本つなぎ合わせて5.5メートルほどの 竿 にしました。つなぎ目はシュロ縄と結束バンドで40cmほど重ね合わせました。
- その先端にステンレスの S字フック を結わえつけて、ロープを目的の枝に引っ掛けるための道具にします(注1)。
作業記録
(1)剪定前、(2)幹だけになった状態、(3)幹の伐倒法 を紹介します。
(1) 剪定前の状態
図2は作業前の白樺の状態です。 緑の矢印は東電の引き込み線、赤の矢印はNTT光ケーブル。
準備作業 で用意した 竿 を使って、下の枝から順番にロープを引っ掛け 高枝ノコ (注2)を使って枝打ちし、木を身軽にしました。
枝を落とす際には、ロープの引き方に細心の注意をはらって、屋根の上に枝が落ちないように、また電線や光ケーブルなどのラインに引っ掛けないようにしました。
(2) 幹だけになった白樺
図3は、枝打ちを終えてほとんど丸裸=幹だけになった白樺。写真左下に、高枝ノコ(はやうち3段)の ブレード が写っていますが、これは偶然です 😉
(3) いよいよ伐倒
下準備として、意識的に残した地上6メートル付近の残り枝(上の図3 の赤丸部分)にロープをかけて、倒す方向にロープを引き、20メートルほど先にある太い樹木の幹に巻き付けました。
幹のカットラインは、根元ではなくて地上から 3メートル あたりです(注3)。
ロープを目印にしながら、倒す方向に「受け口」を 手ノコ (注4) でカットした後、背後から「追い口」をカット。追い口は少しずつ切り進めては一時休止し、ロープを引いて倒れるかどうかチェックしながら作業しました。
ほぼ規定の追い口になった時点で、強くロープを引いて伐倒しました。所要時間は準備作業開始から2時間30分ほどでした(図4)。
結果と反省点
立木の伐倒で一番大事なのは木を倒す方向。今回は倒す方向に予めロープを引いて、それを見ながら慎重に「受け口」をカットしました。結果的には、ほぼ正確に予定したラインに乗るように伐倒できました。これは大成功でした。
伐倒用の クサビ を準備しなかったのはドジでした。また使い終わった脚立を根本近くに置いたままロープを引いて倒したために、脚立の最下段の横棒に幹が落ちてきて曲がってしまいました。
それから普段使うことのない腕や腰の筋肉を使ったので、腕はひどい筋肉痛、腰は ぎっくり腰 の一歩手前になりました。😓
Footnotes:
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この樹高からすると、いわゆる スローウエイト(thraw-weight)とスローライン(thraw-line) を使ってロープ掛けするのが常道だと思います。けれども、そもそも正規製品のウエイトもラインを持っていませんし、自作のウエイト、ラインを何度投げ上げても、めったに目指した枝にはかかりません。「さらし竹」を継いだ長い 竿 を使った方がずっと早くて楽です 😎 ↩︎
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高枝切りには、最近購入したユーエム工業シルキーはやうち3段 を使いました。とても良く切れて満足しています。このシリーズには はやうち4段 もありますが、3段でも長く作業しているとかなり腕にきます。 ↩︎
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「3メートル」の高さの幹を残したのには理由があります。この幹は、洗濯物を干すときに物干しヒモをかけるために使っている、残してほしい、という強い要望がありました。 ↩︎
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(有)竹内快速鋸による「竹内栄治作」の手ノコ(刃渡り27cm)を使いました。そろそろ目立てをしなければいけない感じです。 ↩︎