この記事では、Joplin CLIを使ってUbuntu環境で効率的にメモを管理する方法を解説します。インストール方法、Dropboxやローカルファイルシステムを同期先として使う設定、それから基本的な使い方について解説します。 Joplinをターミナルから操作したいLinuxユーザーの参考になればと思います。
1. UbuntuへのJoplin CLIインストール方法
まずは、Joplin CLIをUbuntuにインストールします。JoplinはNode.jsベースのツールで、npmを使ってインストールします。
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Node.jsのインストール
まず、Node.jsとnpmがインストールされていない場合は、以下のコマンドでインストールします。
sudo apt update sudo apt install nodejs npm
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Joplin CLIのインストール
次に、Joplin CLIをインストールします。
~/.joplin-bin
ディレクトリにインストールすることで、環境を汚さない設定を行います。NPM_CONFIG_PREFIX=~/.joplin-bin npm install -g joplin
インストールが完了すると、Joplin CLIを使えるようになります。
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パスの設定
Joplin CLIをどこからでも使えるようにするため、パスを設定します。以下のコマンドを
.bashrc
や.zshrc
に追加します。export PATH="$HOME/.joplin-bin/bin:$PATH"
設定を反映するために、ターミナルを再起動するか、次のコマンドを実行します。
source ~/.bashrc # or source ~/.zshrc
2. Dropboxやローカルファイルシステムを同期先とする設定方法
Joplin CLIでノートを保存・同期するには、Dropboxやローカルファイルシステムを同期先として設定する必要があります。ここでは、両方の方法を紹介します。
Dropboxを同期先に設定する方法
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同期ターゲットをDropboxに設定
次のコマンドでDropboxを同期ターゲットに設定します。
joplin config sync.target 7
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Dropboxの認証を行う
次に、Joplin CLIをDropboxに接続します。まず、
joplin sync
を実行すると、Dropboxの認証ページへのリンクが表示されます。joplin sync
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認証コードの入力
ブラウザでリンクを開き、DropboxにログインしてJoplinを認証します。認証後に表示されるコードをコピペしてターミナルに入力し、同期を開始します。ノートの数が多いとかなり時間がかかります。
ローカルファイルシステムを同期先に設定する方法
ローカルのフォルダを同期先として使う場合は、以下の設定を行います。
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同期ターゲットをローカルファイルシステムに設定
次のコマンドで同期ターゲットをローカルファイルシステムに設定します。
joplin config sync.target 2
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同期先フォルダを設定
ローカルのディレクトリを指定します。例えば、
~/joplin-sync
というディレクトリを同期先にする場合は次のように設定します。joplin config sync.2.path ~/joplin-sync
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同期を実行
設定が完了したら、同期を実行します。
joplin sync
3. 基本的なJoplin CLIコマンドの使い方
Joplin CLIでは、さまざまな操作がターミナルから行えます1。以下にいくつかの基本的なコマンドを紹介します。
ノートブックを切り替える
現在作業中の(current)ノートブックを切り替えるには以下のコマンドを使います。
joplin use "ノートブック名"
use
はlinuxの cd
コマンドにあたります。Joplin CLIのコマンドはcurrentノートブック配下のノートが対象となりますので、 use
コマンドの出番は多いです。ノートブック名、ノートのタイトルにスペースが含まれていなければダブルクォートは不要です。
ノートの作成
新しいノートを作成するには、以下のコマンドを使います。
joplin mknote "新しいノートのタイトル"
このコマンドの前に joplin use "ノートブック名"
でcurrentなノートブックを指定しておきます。
ノートの一覧表示
ノート一覧を表示するには、次のコマンドを使います。ここでもまず use
コマンドを発行しておきます。
joplin use "ノートブック名"
joplin ls
currentノートブック中のノートを表示します。
-l
オプションをつけると詳細一覧が表示されます:
$ joplin use Health
$ joplin ls -l
kdqld 04/10/2024 10:41 体重管理プロジェクト
253hd 04/10/2024 10:39 1byone 体重計・体成分計の使い方
yah3k 29/09/2024 11:37 体重管理ダイヤグラム
:
なお、ノートブックの一覧を表示するには ls /
と入力します。
ノートの編集
ノートを編集するには以下を実行します。デフォルトのエディタは nano
です。
joplin use "ノートブック名"
joplin edit "ノート名"
エディタを Emacs
に変更するには、次のコマンドを実行します。
joplin config editor "emacs"
入力した"ノート名"(=hogehoge)がcurrentノートブックに存在しない場合には、
"hogehoge" というノートはありません。作成しますか? (Y/n)
というメッセージが表示され Y
を入力すると指定されたエディタが起動します。エディタを終了すると「ノートは保存されました。」というメッセージが表示されます。
ノートのインポート
MarkdownファイルをJoplinにインポートするには、次のコマンドを使用します。
joplin import --format md /path/to/file.md "ノートブック名"
この例では、“ノートブック名"の中に file
という名前のノートが作られます。
currentノートブックに
ノートのタイトルを変更
joplin set "ノート名" title "新しいノート名"
ここで title
はノートのプロパティ名です。 joplin help set
でプロパティ名の一覧が表示されます。実際の操作例は次のとおりです。
$ joplin ls -l
4f4f9 09/10/2024 15:59 file
$ joplin set 'file' title 'new note'
$ joplin ls -l
4f4f9 09/10/2024 15:59 new note
$ joplin sync upgrade
joplin sync upgrade
で、同期先を最新バージョンにアップグレードしています。
まとめ
このチュートリアルでは、Joplin CLIのインストール方法、Dropboxやローカルファイルシステムを同期先に設定する方法、そして基本的なコマンドの使い方を解説しました。
Joplin CLIを導入した目的は、Ubuntu PCで作成したデータやチャートをモバイル端末のJoplinで即時的にモニターできるようにするためでした。Joplin CLIのコマンドはささやかなものですが、十分に所期の目的は達成できました。便利になりました。
Acknowledgement
本記事はChatGPTを参考にさせていただきました。ありがとうございました。
Footnotes:
-
: 使用できるコマンド一覧は以下のとおりです(
joplin help
で表示されます)。attach, batch, cat, config, cp, done, e2ee, edit, export, geoloc, help, import, ls, mkbook, mknote, mktodo, mv, ren, restore, rmbook, rmnote, server, set, status, sync, tag, todo, undone, use, versio
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