Ver.2021トラップ
ずいぶん昔からペットボトルでいろいろなタイプのスズメバチトラップを自作し使っていますが、どのタイプのトラップにも共通する問題がありました。
せっかくトラップに入ったのに
飛び回っているうちに
偶然出口を見つけて脱出してしまう
とくにトラップ内に蛾やハチの死骸が溜まってくると、誘引液に溺れにくくなって逃げ出しやすくなります。
このバージョンのねらいは
「いったん入ったハチの脱出をできるだけ少なくする」
ことです。この点において、今のところ本バージョンは好調なので紹介します。
外観
図1が外観です。基本はふつうのペットボトルベースのトラップですが、ポイントが2点あります。
- 入口を 一方向ドア にしました。外側から内側へはハチが軽くドアに触れるだけで入れますが、逆方向(内側から外側)へはドアがスイングしないようになっています。ハト小屋などで飛び込み口を一方向通行にする「 ハトトラップ 」と同じ原理です。
- 入口のすぐ下に 根回し麻布 を巻き付けてスズメバチが止まりやすくしています(注1)。

図1: スズメバチトラップ2021。麻布の巻き方が雑でスミマセン。
図1だけでおよその作り方はお分かりいただけると思いますが、詳しくは「(参考資料)一方向ドアつきトラップの作り方」節をごらんください。
なお、 市販のスズメバチトラップ (注2)の多くは入口の形状を工夫することで、ハチの脱出を抑止するようになっています。コストが気にならない場合には市販の製品も選択肢の一つです。
結果
- 誘引液が発酵してくる1週間前後から、多数のスズメバチが捕獲されるようになりました。
- 観察している限りでは、脱出ハチはほどんどいない模様(動体センサー付きカメラでモニター中)
- トラップ近くに 蛾 がたくさん誘引されますが、一方向ドアを押してトラップ内に入る蛾の数はごく少数です(注3)
- レシピのせいで コバエ がたくさん入ります。しかしコバエは蛾に比べると死骸のボリュームが小さいので、トラップ機能が大きく損なわれることはありません
今後の課題・問題点
- 入口に外向きの ひさし が無いため、大雨のときには雨水が侵入して 誘引液が薄くなります。
- 誘引液交換のためにペットボトルを洗浄するときに、可動部があるために従来のタイプよりも気を使います。
おわりに
これまでいろいろな 思いつき でトラップを試作してほとんど失敗してきました。😓
その失敗の歴史は、自作トラップでスズメバチと闘うみなさんの参考になると思いますし、すっとんきょうなアイデアは笑えると思いますが、それはまた 別の機会 にということにします。
(参考資料)一方向ドアつきトラップの作り方
備忘のために制作関連の情報を取りまとめておきます。
部材
| 部材 | 備考 |
|---|---|
| ペットボトル | 炭酸用1.5L |
| 丸カン | 6mm(百均) |
| 根巻き麻布 | トラップの胴巻き用 |
| 針金 | 細目の番手 |
工具など
| 工具など | 備考 |
|---|---|
| ラジオペンチ | できれば2個(丸カン加工用) |
| ニッパ | |
| カッターナイフ | |
| キリ | 四つ目 |
| その他 | 油性マジック, ハサミ, ピンセット |
入口の寸法
入口は3箇所。各入口の寸法は表3のとおりです。
| 項目 | 寸法(W x H) |
|---|---|
| 入口開口部サイズ | 20mm x 30mm |
| ゲート板 | 20mm x 20mm |
| 内向きのタラップ | 20mm x 10mm |
ペットボトルの工作手順
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型紙作成 :入口の墨付け用に簡単な 型紙 を作ります。素材はプレーンヨーグルトのフタ。

図2: トラップ入口の墨付け用型紙
-
墨付け :上の型紙を使って油性マジックで入口を墨付けします(図3)。入口(三箇所)の場所決めのために、ペットボトルの胴回りと同じ長さの ヒモ を用意し、3等分した箇所にマジックで印をつけておくと作業が楽。なお型紙に 上下のマーク があるのは、下のラインをペットボトルのラベル貼り付け用の段差ラインにそろえるため。

図3: 3箇所に入口用の墨付けをする
-
カッティング :カッターで入口を切り抜きます。切り抜いたパーツ(図4 の右側に置いてあるプラ片)は 一方向ドア として使うので、アルファベット記号を書いておきます。タラップ部は水平にはせず、45度程度に軽く折り曲げておきます(脱出をできるだけ難しくするため)。

図4: カット済みの入口
-
ドアの取付け :これが一番手間がかかります。キリでドア部と本体に2つずつ2ミリ程度の穴を開け、それに6mmの 丸カン (百均)を通します(図5)。この時に、ラジオペンチが2個あると便利です。なおドア部の左右両縁はハサミで1mm程度カットします。工作精度が低くてもドアが本体と干渉しないようにするためです。

図5: 入口に丸カンでドアをぶら下げる。
-
最後の仕上げ :ドアが内側から外にスイングしないように細手の針金で ストッパー をつけます(図6)。

図6: 一方向ドアの完成形
誘引液のレシピ
ぶどうジュース、日本酒、酢、砂糖ベースのレシピに、グレープカルピスとハチミツを追加しました。
| Ingredient | Volume |
|---|---|
| ぶどうジュース | 500cc |
| 日本酒 | 150cc |
| 酢 | 100cc |
| 砂糖 | 100g |
| ハチミツ | 大さじ2杯 |
| グレープカルピス | 50cc程度 |
| 合計 | ≒900cc |
Footnote
-
「根回し麻布」をどうしても「 根回し昆布 」に空目します 😓 ↩︎
-
主なものを上げておきます。
1. ファネルトラップ 2. ルアートラップF 3. シマダ ProBuster 業務用 スズメバチバスター 4. フマキラー ハチ 捕獲器 激取れ
最初の2つは定評のある海外の製品。一度使って見たいのですがちょっと高価 😢 ↩︎ -
小型の蛾は入口をすり抜けて入りますが、多くの蛾はドアをプッシュしてまで中に入ろうとしないようです。 ↩︎
-
トラップのペットボトルの周りをウロウロしているスズメバチの行動を観察していると、ペットボトルのツルツルした外面には止まりにくそうに見えます。「根巻き麻布」をトラップの胴体に巻きつけるやり方は他の昆虫捕獲用トラップでもよく使われています。スズメバチにも効果がありそうです。
先日は カブトムシ が麻布に張り付いてトラップの入口付近を熱心に探索していました。誘引液の匂いに誘われたのでしょう。思わず捕まえて記念写真を撮らしてもらいました 😉 ↩︎